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life

차가운 빛의 알들 ㅡ 요시노 히로시

차가운, 외로운 빛의 알들이 홀쭉한 가슴팍까지 꽉차 있었다.....
삶이란 무엇인가
태어나서 살고 또한 죽는 것.
우린 이세상에 태어나진다(I was born by my mother)
자유의지에 의해 태어나는 사람은 아무도 없다.
하지만 살고 죽는것 만큼은 자유의지에 의해 가능하다.
그렇기에 살고 있는 지금 이순간 자유의지를 잊으면 안되는 것이다.
최악이라 일컫는 고통과 슬픔이 쓰나미처럼 밀려와도 자유의지로 극복할 수 있는 것이다
그러나 우리가 이 세상에 태어나진 것처럼 사라지는 것 또한 스스로 결정할 권한이 없다.
탄생에 대한 수동성과 어미의 외롭고 차가운 빛의 알들을 품어야만하는 의미를 알게 되었다면 죽음에 대한 자유의지의 발현이 얼마나 죄스러운 일인가를 깨닫게 될 것이다
설사 살아가는 것에 대한 자유의지가 충만한 사람이라도 말이다.
결국 우리가 자유롭게 선택할 수 있는 것이라곤 살아가는 것 뿐이다.
수동적으로 살아가고 있다면 과감히 박차고 나가자. 지금 당장 자유의지를 발현하자!

I was born

確か 英語を習い始めて間もない頃だ.

或る夏の宵. 父と一緒に寺の境内を歩いてゆくと 青い夕靄の奥から浮き出るように 白い女がこちらへやってくる. 物憂げに ゆっくりと.

女は身重らしかった. 父に気兼ねしながらも僕は女の腹から目を離さなかった. 頭を下にした胎児の 柔軟なうごめきを 腹のあたりに連想し それがやがて 世に生まれ出ることの不思議に打たれていた.

女はゆき過ぎた. 

少年の思いは飛躍しやすい. その時 僕は <生まれる>ということが まさしく<受身>である訳を ふと諒解した. 僕は興奮して父に話しかけた.
-やっぱり I was born なんだね-
父は怪訝そうに僕の顔をのぞきこんだ. 僕は繰り返した.
-I was born さ. 受身形だよ. 正しく言うと人間は生まれさせられるんだ. 自分の意思ではないんだね-
その時 どんな驚きで 父は息子の言葉を聞いたか. 僕の表情が単に無邪気として父の眼にうつり得たか. それを察するには 僕はまだ余りに幼かった. 僕にとってはこの事は文法上の単純な発見に過ぎなかったのだから.

父は無言で暫く歩いた後 思いがけない話をした.
-蜻蛉と言う虫はね. 生まれてから二,三日で死ぬんだそうだが それなら一体 何の為に世の中へ出てくるのかと そんな事がひどく気になった頃があってね-
僕は父を見た. 父は続けた.
-友人にその話をしたら 或日 これが蜻蛉の雌だといって拡大鏡で見せてくれた. 説明によると 口はまったく退化していて食物を摂るに適しない. 胃の腑を開いても 入っているのは空気ばかり. 見ると その通りなんだ. ところが 卵だけは腹の中にぎっしり充満していて ほっそりとした胸の方にまで及んでいる. それはまるで 目まぐるしく繰り返される生き死にの悲しみが 咽喉もとまで こみあげてるように見えるのだ. 淋しい 光の粒々だったね. 私が友人の方を振り向いて <卵>というと 彼も肯いて答えた. <せつなげだね>. そんなことがあってから間もなくのことだったんだよ. お母さんがお前を生み落としてすぐに死なれたのは-.

父の話のそれからあとは もう覚えていない. ただひとつの痛みのように切なく 僕の脳裡に灼きついたものだった.

-ほっそりとした母の 胸の方まで 息苦しくふさいでいた白い僕の肉体-

- 吉野弘, 出典 <吉野弘詩集>